社長

アイデア。よく耳にする言葉ですが、アイデアって何でしょう?頭の中のヒラメキや思いつき、と思われるかも知れません。でもそれは「発想」と呼ばれます。「アイデア」と「発想」は異なり、発想が思いつきやヒラメキを意味するのに対して、アイデアは、「問題解決のための考え方」と、私たちは考えています。


アイデアとは、「既存の要素との新しい組み合わせ」とも言われ、つまり、現状目の前にあることに対して、「どのようにより良く改善ができるか」という考えであると言えます。


ものづくりにおいて、アイデアは常に求められます。常に課題がつきものだからです。



アイデアが求められる場面 ~ 加工ができない!

ものづくりにおいて「加工ができない」には、いくつかのパターンがあります。


加工が難しい!

本当に加工が難しくて出来ない場合。すごく細くて深い穴を開ける、すごく小さな部品の精密加工などです。

納期が足りない!

次に、納期が間に合わない場合。加工はできるけども、その納期ではできない、という時ですね。

コストが合わない!

そして一番多いのがコストの問題。時間も予算もたっぷりあればできる、でも、その金額では難しいという場合。


そしてアイデアが求められるのは、まさに「コストが合わない!」そのような時です。そのような時も、加工方法の変更や、必要に応じて再設計など、アイデアを活かしてフレキシブルにご提案させていただきます。


ガラスビーズブラスト処理

Φ0.65±0.02×3mmピン削りだし。500本加工。ガラスビーズブラスト処理。
当初は、プレートに1100穴をあけ、直径0.65mm長さ8mmの製作したピンを1100本圧入する依頼でした。全てをアルミの削り出しで実現したことで、大幅なコストダウン(当初の1/3)となりました。


通信機器部品

加工方法の変更をご提案し、コストは1/3に

全ての穴が公差±0.005以内。当初のご依頼は、直径0.2mmの貫通孔。板厚の70%(0.7mm)を0.5mmでザグり、0.2mmの孔あけをご提案。お客様の使用目的は達成され、加工時間は速く、コストは安価になりました。


アイデアを育成できる工場であること

アイデアはものづくりにとっての問題解決策。お客様への提案力と考え、私たちは次のことを大切にしています。



設計と製造現場を両方持つこと


設計とは製品の外観や機能を考える仕事ですが、頭の中の構想が、実際にものづくり現場でどのように加工され実現できるのか?を知らなければ良い設計ができません。例えば、この工場のあの機械で削るというところまでイメージできていれば、それに合わせた設計を行うことはコストダウン(価値の向上)に繋がります。

製造現場にとっても、それが何に使われるものなのか知らなければ、改善策の提案ができません。簡単な例ですと、四角い部品の全周を面取り指定がある図面で、一部は他の部品に組み込まれてしまうので本当は面取りの必要が無かった。などです。 設計と製造現場をともに持ち、情報のフィードバックを行うことでアイデアの源が創られていくと考えています。



ものづくりフロー



発想を日頃から形にすること


こうしたらいいかな?こうしたらいいのに。と思った時に、試してみることは重要です。試してみると思っていたようにはいかなかったり、さらに工夫ができることにも気づきます。 当社では、「発想をかたちにする」ことを大切にし、設計者も製造者も、小さな改善を具現化してみることを推奨しています。


社内3次元座標測定器の拡張プレート

社内3次元座標測定器の拡張プレート

本来500×500の作業範囲ですが、大きいワークの一部分測定が可能になるほか、治具のクランプも容易になりました。

社内で使用するワゴンを設計製造

社内で使用するワゴンを設計製造

450x600x800
市販のアルミフレームを使用し天板はアルミチェッカープレートを使用。 傷がつきにくい素材です。

社内バイス用ハンドル

社内バイス用ハンドル

純正のハンドルはサイズが大きく、加工時は取り外さなければ機械を動かせず、回す際も手軽には回せないため、小回りの利くハンドルを現場で製作。




経験は大切ですが、重視しすぎないこと


ジェネレーティブデザイン

ものづくりは、とかく保守的になりがちです。誰でも失敗はしたくありませんから、過去の成功体験を繰り返す選択をしたくなります。できると分かっていることをやれば、もちろんできるのですが、それでは考えの幅が広がりません。

常に新しい技術や新しい考えが世の中には生まれています。実際のところ、トレンドだけで終わってしまうものも多いですが、新しい考えを試してみること。それから、自分たちなりにそれを解釈して、活用できそうか決めること。そのようなスタンスでいることは、とても大切だと考えています。